アターリ・ワガ・ボーダー~国境の街での愛国合戦【アムリトサル編4】
インド‐パキスタン間の国境があるアターリ(アターリはインド側の村名。パキスタン側はワガ。)では、毎夕、両国の国境を閉鎖するクロージング・セレモニーが行われています。アターリは、アムリトサルから西へ約30キロ、車やオートリクシャーで1時間弱で到着します。インド・パキスタン双方の国境警備隊が、大きなドラの音や自国を褒めあう掛け声とともに、大仰な行進を行います。季節によって異なるそうですが、概ね午後5時30分から開始されます。
クロージング・セレモニー入口には、観光客を歓迎する旗が飾られています。BSFは、Border Security Force(インド国境警備隊)です。
セレモニーには、毎日、多くの観光客が訪れます。外国人旅行者やVIPは、特別ルートで入場できる上、観覧席も見晴しのいい場所が確保されています。下の写真の手前側が外国人ルート、奥のたくさんの人が並んでいる側がインド人ルートです。写真撮影時は8月の真夏で、とにかく暑く、外国人ルート無しではセレモニーまで持たなかったかもしれません。
セレモニーの始まりです。インド側では、国境警備隊の行進の前に、子供たちのダンスなどのイベントが行われます。繰り返しになりますが、とにかく暑い。時折、水を売りに来る人がいますが、あっという間に売り切れます。
セレモニーの前のイベント。高校生くらいの女の子がインド国旗を掲げて、国境の門との間の往復を疾走しています。
セレモニーが始まると、パキスタン側でも国境警備隊が行進を行います。大きなドラの音とともにインド国境警備隊の隊員も行進を行います。盛り上げ役の司会者が、「We are India」などと連呼して、インド側のギャラリーは大興奮状態です。写真手前のカーキ色の制服がインド側国境警備隊、奥の黒色の制服がパキスタン側の国境警備隊です。
セレモニーは1時間ほどで終わります。終了と同時に、待つことに慣れていないインド人が客席から一気に下りて、国境警備隊員との撮影やパキスタン側の撮影に殺到します。
インド・パキスタン間では、軍隊同士の衝突が時折発生しており、国同士が仲がいいとは決して言えませんが、両国の国境警備隊の愛国心溢れる行進と終了時のお互いを称えるエールを見て、このようなイベントがもっと活発に行われて、今後、両国の間に戦闘が発生しないことを祈りたいと感じました。
一件の価値あるセレモニーですので、アムリトサルに来た際はぜひとも立ち寄って、両国の国境警備隊と観覧席の熱気を感じてください。