ラジャスタン州ジャイサルメールの北西部にあるヒンドゥー教徒の王家の墓「バダ・バーグ」をご紹介します。
もともと、ヒンドゥー教では、死者は輪廻転生により生まれ変わるという思想があり、死者は火葬した後、遺灰をガンジス川に流すことが通例で、墓を建てる慣習はありませんでした。しかし、イスラム教の影響を強く受けたラジャスタン州の民族は次第に墓を建てるようになったそうです。
「広大な庭園」という意を持つバダ・バーグには、多数の王族の墓が建てられています。
澄み渡る青空を背景に黄色の砂岩がよく映えます。
砂漠地帯ということもあり、常に強い風が吹いています。遠くには多数の風車が見えます。
各建物の中には墓標があります。この一つ一つに歴代の王や王とともに殉死した妃たちが描かれています。
当時は夫が亡くなると、火葬の際に妻が夫の遺体とともに焼かれるサティーと呼ばれる風習があったそうです。恐ろしい風習ですね。この墓標の中にもサティ―で亡くなった妃の墓標があると思うと悲しくなります。
感慨に浸っていると、バダ・バーグで記念撮影をしている新婚カップルがいました。結婚式を前に撮影に来たとのことです。
新婦さんに比べて新郎の衣装はシンプルですが、インドではこれが正装とのことでした。お幸せに。