ドゥルガ・プジャも終わりが近づいてきました。最初は美しく飾られていた各地のパンダルも散らかり放題の状態に。連日連夜のお祭り騒ぎの疲労も最高値に達したのか、昼間に出歩く人も少なくなってきました。
しかし、夕方を過ぎたころから、大音量の音楽をかけながら太鼓を鳴らしまくって歩く集団があちこちから出てきました。
近づいてよく見ると、軽トラックにドゥルガ神の像が乗せられています。近くのインド人に聞いたところによると、プジャで使われた神様の像は最後は水辺に流されるため、こられの集団は近くの川や池に向かっているとのこと。この日は深夜まで、このような集団が次から次へと大音量の音楽と太鼓の音とともにやってきて、いずこかへ去っていきました。
翌朝、車を運転していたら、ドゥルガ神と落ちそうなくらいたくさんの人を乗せたトラックが走っているのを見かけたので、追いかけてみました。すると、ガンジス川支流のフーグリー河川辺にあるバブ・ガートに着き、像と一緒にトラックに乗っていた人たちがドゥルガ神をトラックの荷台から降ろし始めました。
あたりを見回すと、ほかにもたくさんのトラックが停車しており、大音量の音楽とともにたくさんの人がドゥルガ神の像を荷台から降ろしています。写真の右の方には警察官の仮設見張所まで作られています。もちろん素材は竹。
荷台から降ろされた像がそこかしこに置いてあります。おのおのの像は細部まで丁寧に作りこまれてます。
と思ったら、正面だけでした。背中側はどの像もかなり手を抜かれています。まるで、お坊ちゃまくんに出てくるキャラクター「貧坊ちゃま君」のようです。
ドゥルガ神の口元が汚れていますが、前夜の儀式で人々が食べ物をドゥルガ神の口元につけたとのことです。日本人からすると罰当たりな感じもしますが、これが文化の差でしょうか。
トラックからドゥルガ神の像と降りてきた人々は、荷台から降ろしたドゥルガ神の像の後につづいて、大音量の音楽とともに、自らも笛を吹いたり太鼓をたたいたりしながら、川に向かっていきます。
正面は豪華ですが、裏面の残念さが何とも言えません。
大きな声を出しながら、ドゥルガ神の像を川に投げ込んでます。
次から次へと投げ込まれます。
テレビのレポーターもバブ・ガートの喧騒を報じています。
投げ込まれた像は粘土でできているためどんどん溶けていきます。
投げ込まれてしばらくすると、市の作業員がクレーンでつるし上げます。インド人の友人によれば、昔はそのまま像を流していたのですが、水質汚染対策の一環で市が像を撤去することとなったそう。それでも塗料や粘土、木材などが像から流出している上、お供え物の食べ物などを像と一緒に流している人もおり、川の水がきれいになるまではまだまだかかるでしょう。
つるし上げられた像は近くの川辺に積み上げられていきます。
像を投げ入れた女性も満足げな表情です。
ドゥルガ・プジャ編はこれで終了です。インドでは、ヒンドゥー教の各神々を祭るプジャが各地で行われており、おおむねドゥルガ・プジャと同じような流れをたどるそうです。