バラナシのガンジス川岸辺にあるダシャーシュワメード・ガートでは、毎晩、プジャ(儀式)が行われています。ガートとは沐浴場を意味し、バラナシには全部で84のガートがあるそうです。ガートは、通常、一般道から階段を下りた先の広い河原などになっており、そこでは、インドの人々が沐浴や洗濯、水汲みなどをしています。
ダシャーシュワメード・ガートでのプジャは午後6時30分からとのことなので、午後5時ころ、ホテルを出発してタクシーでガートへ向かいました。この時間帯になると、バラナシの町は人、自転車、バイク、牛、車などが、交通ルール関係なく、それぞれの行きたいところへ進むため、道路はまたもやカオス状態。常にクラクションの音が鳴り響き、筆者も気分が悪くなってしまいました。
ガート直近の車が入れるところまでタクシーに行ってもらいタクシーを降りて歩いていると、今度は牛の群れが悠々と歩いてきました。インドの人は全く動じず、牛のすぐ横を歩いて通りすぎます。
午後6時前にガートに到着しましたが、既にたくさんのインド人が来ていました。プジャを見に来た人以外にも、あちこちでお椀を前に置いて座ってる人、僧侶のような恰好をした人、食べ物を売っている人がひしめき合っています。
会場前は隙間が無いくらいぎゅうぎゅう詰めで人が座っています。たくさんの外国人らしき人も来ています。
会場正面のボートにも人がいっぱいです。完全に乗員オーバーな気がしますが大丈夫でしょうか。100円ほどの金額を払えば乗れるそうですが、バラナシでは毎年プジャ中に大きな事故が起こっていることを思い出し、筆者は遠慮しました。
プジャが始まると、音楽が鳴り始め、礼拝僧たちがたいまつや燭台の火を掲げて祈りの儀式を始めました。幻想的な歌やドラや太鼓の音が鳴り響く中、神秘的な祈りの舞に1時間ほど見とれてしまいました。
火のついた松明を持っての舞です。礼拝僧たちは、場所やポーズを変えながら、常に統一された動きで踊ります。集まった人の中には涙を流しながら見入っている人もいました。礼拝僧がまとっている僧衣は黄色ですが、ヒンドゥー教では黄色は高位の者しかまとえない色とのことです。
たいまつから、煙の立ち上る燭台に持ち替えて舞を続けます。
プジャは、約1時間ほど続きました。非常に厳かな雰囲気の中、礼拝僧たちの舞に見入ってしまいました。しかし、暑い!プジャの間、筆者は汗が止まりませんでした。ダシャーシュワメードにプジャを見に行かれる方は、水とうちわを忘れないようにしましょう!