職人技!大量の神々の像を作る村~クマルチュリ(コルカタ)【ドゥルガ・プジャ編1】


コルカタ市内北部にある村、クマルチュリをご紹介します。コルカタでは、毎年9月から10月のうちの数日間、ドゥルガ神を称える祭り、ドゥルガ・プジャが開催されます。クマルチュリ村は、これらのプジャで用いる神々の像を作る職人が集まった村で、プジャの前になるとたくさんの神々の像が作られています。

クマルチュリ村は、その異様な熱気と独特の雰囲気から、最近では地元のインド人だけでなく、外国人も訪れる隠れた観光スポットになってきました。数年前までは、完全無料でしたが、最近はカメラの持ち込みに数百円程度のお金をとるようになってきました。

神々の像は、ワラを芯にしてその周りに粘土を貼り付け、徐々に形にしていきます。コルカタの強烈な日差しや突然の大雨により、ひび割れや粘土の崩壊の原因となってしまうため、職人は天候に気を配りながら像の制作をすすめていきます。

左の像は、ガネーシャ像です。ガネーシャは、ヒンドゥー教の破壊の神シヴァとパールヴァーティの間の子です。神話上では、シヴァがガネーシャの首をはね、象の頭をつけたということになっています。ちなみに、ドゥルガ神はパールヴァーティの化身とされています。ややこしいですね。

たくさんの像が作られています。右奥の手が8本ある神様がドゥルガ神です。戦いの神とされています。

これもパールヴァーティの化身の一つ、カーリー神です。下で踏んでいるのは夫のシヴァ神です。誤って夫を踏んでしまったため、舌を出しているらしいです。

ある民家の倉庫には、着色された像が大量に保管されていました。

できあがった像は、竹で作られたカゴで、トラックに運ばれます。この村から、ドゥルガ・プジャを行う各地域へ像が運ばれていきます。像を運んでいる人たちは、殺気立ちながら、ものすごく大きな声で道を通って行きました。

像以外にも、プジャで使う人形や置き物を作る職人さんもいます。それにしてもなぜ上半身裸なのでしょうか。

 

目の細部に至るまで手書きで作成していきます。この辺りの職人芸は、おじさんの見た目とのギャップを感じます。

クマルチュリは、ガイドブックにもまだ出てこない、観光の穴場です。プジャの時期が近づかないと人形作りはやっていません。毎年、ドゥルガ・プジャだけでなく、いくつかのプジャのために人形をつくるようですが、各プジャの日程も変わってくるため(春頃に占い師が決めるようです。)、観光で来る方にとっては、訪れるタイミングを計るのが難しいですが、機会があればぜひ行ってもらいたいスポットです。

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